ホンダZR-V 試乗
ホンダのZR-V、ガソリンとe:HEVに試乗してきました。
まだ発売になっていないのに、展示どころか試乗車まで準備してありました。全体の生産遅延で発売を急遽延期したようですから、準備は進んでいたのでしょう。
グレードはどちらもZ(高い方?)の4WD。乗り込むとシフトノブ付近以外はほとんど同じ。(更に言えばCIVICともほとんど一緒に見えます)
まずはポジション合わせ。最初に乗り込んだ時はシートが思ったより低く、CIVICと同じポジションなのかと驚いたけど、調整幅が十分大きいので、最初のセダンポジションからSUVぽいポジションまで設定次第。しかし、基本はSUVとしてはやや低めらしく、上の方のポジションだとメーターが心持ち低い感じ。ハンドルにかからずに良いかもしれないが、視点移動が大きくなります。
(ちなみに身長180cm程度で、普段からどの車でも視界確保のためシートは結構高くしてます)
その分視界はかなり良く、初めて乗った試乗車なのに特に神経を使う部分は無し、普通に走れてしまいます。
中はやっぱりまるっきりCIVIC。音量、温度がつまみなのは非常にありがたいです。NAVI組込のタッチ音量は走行中の操作に危険すら感じます。最近はハンドル、スアリングスイッチから操作出来るのが多いですが。
サウンドは悪くはないけど、特に「良い!」と言うくらいでもなく、一応マルチスピーカーでBOSEなんだけども。音のソースは標準搭載のラジオやTVの範囲です。
中高音を聞きやすくしてあるのだろうと思いますが、ちょっと厚みが欲しいです。
足は硬め傾向、特にガソリン車はバタバタというより敏感すぎてガタガタする感じ(ちょっと言い過ぎ?)。スタッドレスのせいもあるかもしれません。
荷室はもう少し広くても良いかな。VEZELだとちょっとだけ狭いかもと感じてZR-Vに期待したのだけど、Web情報では荷室容量は395Lで、どうやらVEZEL(404L)より小さいらしい。奥行きは多少(10cm弱?)VEZELより増えても高さがないからでしょうか。後席はフラットにはなるけどチップアップは無し。VEZELから伸びた全長はデザイン部分に消えてしまったってことですね。
後席を倒しての長さを測ろうと思っていたのだけど、メジャーを忘れてしまいました。
ガソリン Z 4WD
1.5でも十二分にパワーはあるし、踏み込めばそれなりに加速して十分速いです。
しかし、アイドリング時から排気音が大きく、走り出すと今度はエンジンがやかましい感じ。
サスもちょっとバタバタしてやかましい。
e:HEVとの価格差は燃費では埋まらないから、ガソリンでも良いのかと思いましたが、ちょっと考えちゃいます。
e:HEV Z 4WD
こっちは静か。重さのせいか足もしっとりして上品です。硬いと言ってもそんなにガチガチなわけではなく、適度にロールもします。ただ、慣らしが足りないのかどうも前が段差を拾いました。ステリングの反応ならば路面情報として良いのですが、シートから体に響きます。
モーターだけど、さほど出足は敏感ではないです。フィーリングを一般のガソリンAT車に寄せてるのか、空転しないように緻密にコントロールしてるのか。
他のe:HEVと同様、思いっきり踏み込むと、エンジンが唸り始めますが、エンジン直結と違って加速感にダイレクトに結びつかないし、きつめのコーナーでは手応えが伴わず電動ステアリング感が顔を出します。
とは言っても、そんなきつめの操作をしなければごく自然に走れます。大分こなれてきた感じはあります。
シートを調整しきれなかったためか、そんなに長く乗ったわけでは無いのに、ちょっと腰が痛くなりました。まあ、材質やクッションが悪いわけでも無いので、ポジションを合わせていけば大丈夫でしょう。試乗だと結構慌てて設定してますから。
一方、後席は低めで、調整できない分腿が浮くかもしれません。
ガソリン、e:HEV、どちらも右折路の圧雪氷や轍を抜ける時、前輪後輪とも変な空転や押し出しは一切感じませんでした。接地が良く、前が空転して後が唐突に滑り出すような事もありません。カタログではFFと比べて燃費もあまり悪化していないし、ほんの一瞬試しただけですが、この4WDは秀逸だと思います。
走りは良く、更にCIVICに4WDが無いので重要な選択肢です。けれども、VEZELのようなサイズに対するスペースの効率が弱く、「ならばVEZELを選ぶ」ってこともありだと思います。ただし、VEZELは一年以上の納車待ちの上、部品不足で間も無く一時受注停止だそうです。
<現評:CIVICの4WD強化版として悪くは無いが、ちょっと荷室と後席に期待外れ感がある。もうちょい見てから>